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第64話 律の秘密の一端④

Penulis: 花柳響
last update Tanggal publikasi: 2026-07-06 06:01:38
 律は、声を一段落とした。

「勝手には進めない。資料は、君が見られる形にする。私が触ったものも含めて」

「今持ってるものは」

「整理して渡す。見たくないものは、見なくていい」

「見ます」

 即答してから、わずかに息が詰まった。

 見たいわけではない。

 けれど、見ないままにすれば、また私のことを、私抜きで決められてしまう。

 律は、かすかに頷いた。

「KMSは、別に扱う」

「別に?」

「君の仕事の資料と、榊家の調査資料は混ぜない。KMSは法務を通す。そこは線を引く」

「また、私には見せないまま進めるんですか」

 問い返すと、律は一瞬だけ目元を伏せた。

 今度は、すぐに逃げなかった。

「君抜きでは進めない。ただ、守秘義務は破らせたくない」

「それなら、そう言って。察しろ、みたいに黙られると、勝手に嫌な方へ考えてしまうんです」

「次から、言葉にする」

 素直すぎる返事だった。

 その素直さで、怒りの行き場が一つ減った。

 怒っているのに、怒りを続けにくくなる。律は時々、謝り方までまっすぐすぎる。

 扉の外で、控えめなノックがした。

「失礼いたしま
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